当院で使用する3種類の製剤は、いずれもA型ボツリヌストキシンの作用によって、神経から筋肉への信号伝達を一時的に抑え、筋肉の過剰な動きをやわらげます。
一方で、国内での承認状況、製剤に含まれる成分、調製方法、費用などには違いがあります。
どの製剤が一律に優れているというものではありません。
治療部位、必要な投与量、治療頻度、過去の治療歴、ご希望、ご予算などを確認し、お一人おひとりに適した製剤をご提案します。
ボトックスビスタは、アラガン・エステティックスが取り扱うA型ボツリヌストキシン製剤です。
日本国内では、成人における眉間および目尻の表情ジワに対する治療薬として承認されており、有効性、安全性、品質について国内で審査されています。
長年にわたる使用実績や臨床データが蓄積されているため、国内承認製剤を希望する方や、初めてボツリヌストキシン治療を受ける方にも選ばれています。
コアトックスは、韓国Medytox社が製造するA型ボツリヌストキシン製剤です。
ボツリヌストキシン本体に付随する複合タンパク質を含まないことが特徴です。
ボツリヌストキシン治療を繰り返すと、頻度は高くありませんが、中和抗体が作られ、以前より効果を感じにくくなることがあります。
抗体産生には、製剤の特性だけでなく、1回の投与量、累積投与量、治療間隔、追加投与の頻度など、複数の要因が関係すると考えられています。
コアトックスは、治療に直接必要とされない複合タンパク質を含まないため、長期的な治療における免疫原性に配慮して設計された製剤です。
表情ジワなどの少量治療に加え、エラ、肩、ふくらはぎなど、比較的多くの投与量が必要となる治療を継続する方にも選択肢となります。
イノトックスは、韓国Medytox社が製造する液状型のA型ボツリヌストキシン製剤です。
一般的な粉末製剤のような溶解操作を必要とせず、あらかじめ一定濃度の液状製剤として製造されています。
溶解時の希釈方法による濃度差が生じにくく、調製手順を一定に保ちやすいことが特徴です。
日本国内では未承認の製剤となるため、承認状況や特徴についてご説明し、ご理解いただいたうえで使用します。
ボツリヌストキシン治療では、製剤選びだけでなく、適切な投与量と治療間隔が重要です。
当院では、以下の点を大切にしています。
製剤の特徴だけで判断するのではなく、治療部位、筋肉の強さ、必要な投与量、治療頻度を総合的に確認し、長期的に安定して治療を続けられる方法をご提案します。
額、眉間、目尻などの表情ジワは、表情を作る筋肉が繰り返し収縮することで目立ちやすくなります。
シワの原因となる筋肉の動きを適度に抑えることで、表情を動かしたときに現れるシワを目立ちにくくします。
筋肉の動きを完全に止めるのではなく、表情を残しながら自然に整えることも可能です。
ボツリヌストキシン治療は、表情ジワだけでなく、エラの張り、顎の梅干しジワ、口角の下がり、ガミースマイルなど、筋肉の過剰な働きが関係するさまざまなお悩みに用いられます。
また、肩やふくらはぎの筋肉の張り、ワキの発汗などに使用することもあります。
ただし、ボトックスビスタにおいて国内承認されている眉間・目尻の表情ジワ以外への使用は、承認範囲外の自由診療となります。
額・眉間・目尻・目頭・目の下・鼻根部・バニーライン・鼻翼・顎・口角・口上・小鼻・ガミーライン・エラ・首・肩・二の腕・ふくらはぎ・ワキがございます。
治療部位によって、必要な投与量、効果の現れ方、起こり得る副作用が異なります。
特に額や口元は、周囲の筋肉とのバランスが表情に影響するため、筋肉の動きや左右差を確認したうえで投与量と注入位置を決定します。
施術直後に筋肉の動きが止まる治療ではありません。
一般的には、施術後数日から徐々に筋肉の動きが弱まり、1~2週間程度かけて効果が安定します。
その後は数か月かけて少しずつ作用が弱まり、筋肉の動きが戻っていきます。
効果の現れ方や持続期間には個人差があり、治療部位、投与量、筋肉の強さ、代謝、過去の治療歴などによって異なります。
施術後は、注射部位の赤み、腫れ、痛み、内出血、頭痛、違和感などが生じることがあります。
また、治療部位や薬剤の作用範囲によって、以下のような症状が生じる可能性があります。
ボツリヌストキシンの作用は、ヒアルロン酸のように薬剤で溶解して元に戻すことはできません。
効果が強く現れた場合も、基本的には作用が自然に弱まるまで経過をみる必要があります。
ボトックスで筋肉の動きを抑えても、すでに皮膚へ刻まれた固定ジワは残ることがあります。
CG Styler 600は、架橋ヒアルロン酸とペプチドを組み合わせた注入製剤です。
ヒアルロン酸によって細かなシワの溝や皮膚の凹みをなめらかに整えながら、配合されたペプチドによって肌のハリや弾力を支える環境を整えることを目指します。
ボトックスでシワを作る筋肉の動きを抑え、CG Styler 600で残った固定ジワや皮膚の質感を整えることで、動いたときのシワと、表情を作っていないときにも残るシワの両方へアプローチします。
骨格や脂肪の減少によって生じたくぼみ、深い溝、輪郭の変化に組み合わせます。
ボトックスで筋肉の過剰な動きを抑え、ヒアルロン酸で立体感や組織の支持を補います。
シワの原因が筋肉だけでなく、骨格やボリュームの減少にもある場合に適しています。
ボトックスでは改善しにくい、皮膚のハリ不足、小ジワ、毛穴、くすみ、キメ、なめらかさなどを整える肌育レーザーです。
ボトックスで表情筋の過剰な動きを抑え、RedTouch PROで皮膚のコラーゲンに働きかけることで、筋肉と皮膚の両面から表情ジワや肌質を整えます。
ジャルプロ、プロファイロ、PN(ポリヌクレオチド)製剤などを用いて、皮膚のうるおい、ハリ、弾力、小ジワを整えます。
表情筋の動きだけでなく、皮膚の薄さ、乾燥、弾力低下がシワを目立たせている場合に組み合わせます。
以下に該当する方は、治療を受けられない場合や、治療に注意が必要な場合があります。
過去にボツリヌストキシン治療を受けた方は、使用した製剤名、施術部位、投与量、施術日、効果の現れ方、副作用の有無などを確認します。
お薬手帳や過去の治療記録をお持ちの場合は、診察時にご提示ください。


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